ようやく熱が落ち着き咳と鼻水フェーズに入ってきました。ただ頭痛と倦怠感はつづいているので薬飲んで涼しい部屋でのんびりしています。何にせよ症状は軽めだし本当に良かった…。在住県では今また流行ってるみたいであちこちでクラスターが発生していると聞いています。感染力すごいね…麻疹レベルではと思ってしまう。
『教皇選挙』観ました
ロードショウを見逃して悔しい想いをしていたので配信されてたのをこれ幸いと視聴。これをやってる時に実際にコンクラーベが行われるなんてものすごい偶然ですよね。おかげで日本では話題になって興行収入も上がったとか。でも、実際面白かったです。あ、いつものごとくネタバレ配慮していませんのでご注意を!(特に今回はネタバレすると面白みが減ると思うので未見の方は本当にご注意ください)
ミステリとして堪能した
自分はこれと言った信仰を持たない人間なのそういう視点ではなく、教皇庁という会社組織(?)でTOPになりたいという野望を持って権争いをしているオジサンたちの映画として楽しみました。個人的にそういうエンタメが好きな方なので十分楽しめたよ。
それにしても、主席枢機卿って部下(レイ)もいるんだね。そしてレイは教皇のプライベートなお金の動きまで調べてこれる諜報員顔負けのスゴイ調査能力。こういうところは探偵ものみたいな面白さがありました。合わせて次々と教皇候補たちの悪事を暴いていく過程もスリリングで、これだけで結構面白い。前教皇はかなりの切れ者だったようです。しかし、バチカンってこういう欲(性、金、権力)に絡んだ物語が多いよね。いくら信仰していても、人間としての根本的な欲望は捨てられないものなんですかねぇ。G13 でもそういう話し(バチカン・セット)あったな~そういや。
一方で、枢機卿たちの衣装やシスティーナ礼拝堂他の伝統的な諸々の美しい事といったらもうため息物でした。イタリアに行ってみたいな~って思う。そしてカーディナルレッドの意味を今回初めて知りました。カッコイイ!!
とは言えわからないことが多すぎた
キリスト教には造詣が深くないのでまず「枢機卿」が何かから調べなければなりませんでしたw 名前は聞いたことがあってもそれが何かまでは知らなかったんです。どうやら教皇の補佐役(?)みたいな人たちのことで、そこに至るまでにも何段階かステップがあるらしい。120人までということなので(by Wikipedia)、かなり狭き門なんでしょうねきっと。なので、この映画はあの世界のエリートたちのお話なんだと思う。頭もよく世知にも長け、手練手管でのし上がってきた男たちの話と言えばいいのでしょうか。そりゃ面白いよね。だいたい、枢機卿と言えども酒は飲むタバコも吸う、スマホ使い放題と自分たちと同じく世俗にまみれて生きているところがもう皮肉。
で、気になったのがローレンスとベニテスの法王名について。ローレンスはコンクラーベの終盤でいよいよ自分にお鉢が回ってきそうになった時に法王名は「ヨハネ」にすると言っていた。ヨハネとはイエスと最も近しい弟子で殉教せずとても長生きした人らしい。他にもいるのかもしれないけど、きっとこの人だよね? コレが何を意味するのか考えてみたけど、よくわかりませんでしたw だって、キリスト教の世界でヨハネがどのように受け取られているのかよくわからないもんね。でもまぁ、コンクラーベが終わったら枢機卿を辞すると言っていたローレンスがもしかしたら本当に教皇になるかもしれないという流れが生まれ(それまでは「候補としては勝てない人」と思われていたらしい、作中でそう言われていた)、自分でも「もしかして…」みたいに期待しちゃったところがあったのかもしれないですね。そこで自らをヨハネと名付けて欲しいと言ってしまうあたり、コレはローレンスの驕りだったのかもしれません。人は誰しも権力に魅了されてしまうモノなのか。
一方のベニテスは法王名を「インノケンティウス」と名乗りたいと言いました。これ、世界史では割と有名な人らしいですね? 私は全く知らなかったからどういう人かウィキってみたんだけど、その人となりと法王名がつながる理由がサッパリわからない。ですが、この名前が英語だとinnocenceだと知って納得しました。実はベニテスは半陰陽(真正なのか仮性なのかは不明)でそのことで悩み苦しんだという過去を持っていたんですね。自分の存在そのものが罪ではないかと。でも信仰と共にそれを乗り越え、これが自分だと受け入れることができた。つまり、innocenceなんだと。ベニテスは最初から意味ありげに登場して他の枢機卿とは違ってしっかりと信仰に生きている様子が描かれていたんだけど、それはフェイクで真実の姿はテロリストではと思ったりしたんだけど(とんでも解釈w)、本当に聖職者として生きるにふさわしい人格者だったようです。
最後に、亀が印象的に使われているんだけど(特にラストシーン)、キリスト教、それもカトリックの世界観で亀が何を意味するのか私にはよくわからなかったのでここはいろんな人の考察を読んで「なるほどな~」って思ってるだけです。でも、新しい法王であるベニテスに象徴されるように、教会はこれから少しずつ変わっていくという事の暗示なのかなとは思いました。
それにしても保守
カトリックでは女性が枢機卿になることはできないんだそうです。なぜなら、イエスの弟子がみな男だったからだそう(意味不明)。公式に声明も出されているようです。今どきそんなんアリですかって感じだけど、そういう世界なんですかねぇ。実際、映画の中でもシスターたちは裏方仕事させられてたし。なんだよそれ。まぁ、きっと日本でも高野山で一番エライ坊さんに女性がなることなんてないだろうからどこも同じなのかも(知らんけど)。未だに女人禁制の山とかあるくらいだしね(なので、縦走でもしようものなら女性は一旦下山して登りなおすという労力が発生する、男性はそのまま行けるのに)。
『聖☆おにいさん』は優秀なテキストです!
今回の映画に何とかついていけたのは、『聖☆おにいさん』でイエスの弟子とか逸話とかを少しは知っていたのが大きかったと思いますw 件のヨハネも「イエスに最も愛された弟子」として登場するし、ローレンスの名前のトマスはイエスの復活を信じずに聖痕に指を突っ込んだ「疑いの人」として出てきてたので、物語上ローレンスがそういう立ち位置の人と言うのもすんなり理解できたんですよね。個人的にはペトロんが大好きなんだけど(あの適当さが好き)映画には出てこなくて残念です。この漫画、まだ終わってないよね? 長年追いかけてるけど最近新刊みてないな…。
というわけで、唐突に終わります。ではまた~♪
※コメントは最大500文字、5回まで送信できます