創作語り②

『握った飯は思案の外』完結しました! 1年半にわたって読んでくださり、時にはコメントまで送って応援してくださったみなさま、本当にありがとうございます!! いや~、何か感無量です。でも、ネーム兼下書を終えた時の方が「終わった」って感じがあったかもしれない。多分、あの時はゼロから描き起こしていたからだと思われます。今回は「何とか27日までに仕上げよう!」と頑張ってペン入れしていたせいもあって、間に合ってよかったなぁ~と言うのが一番の感想です。それでもやっぱりこの二人を描くのはコレが最後だし、久々にナギ君がたくさん出てきてくれたので描くのが楽しかったです。実際のところは5月のコミティアに向けてまだチョコチョコおにぎり漫画関連を描く機会はあるんだけど、物語としては終わったので…今回は気合を入れて創作語りをします。お付き合いよろしくです。

先ずは全体の振り返り

一言で言うと、詰めが甘かったな~と思っています。一応、最初から最後までプロットは立てていたので大筋は逸れることなく物語は完結したんですが、途中から「やっぱり詰めが甘かった」と言う気持ちが常にありました。
プロットの段階では、ナギ君と京子さんはお互いの中にある孤独さに強く引かれ合うと言うのがあったんですが全然上手く描けてなかった~。ナギ君はばあちゃんが死んだ時にもっと一人ぽっちだと言う事を強調しておかないといけなかったし(家族も恋人もいないし)、京子さんだってあんまり食べないと言う設定は実は生きることへの執着の薄さみたいなものを含めていたんですよね。そこをナギ君のご飯が救ってくれると言う流れだったし、京子さんにご飯を作ること、それを美味しくたべてもらうことでナギ君もいつの間にか孤独が癒されると言う話だったんですよ…。改めて振り返ってみると、その片鱗みたいなものはあると思うんですけど、やっぱり詰め切れてなくて上っ面をなでた感じが否めません。自分では、京子さんがおばちゃん家に戻った際にそれを強く思った気がする。物語的にも転換点なのに、そういった前提みたいなのが弱いから、離れてもそこまでドラマチックにならなかったというか…。ぐぬぅ。一つのお話をそれなりの長さで描くということは、結構最初が肝心なんだなぁと理解しました。ブレではないけど、詳細が詰まり切ってなかったんだろうなぁ~。あと、自分が割と場当たり的なタイプなのでそう言うのが出てたかなと…恥。
あと、これ言っちゃうとアレかなぁと思うんですが、ナギ君って京子さんが自分のところに戻ることを意固地なまでに拒否していたけど、これもやっぱり最初の設定にあったものが上手く描かれていないせいだと思います。自分で描いてたくせに「なんでそんな意地張るん? そこまで頑なに拒否る理由ある?(何なら呼び寄せたらいいのに)」みたいな気持ちになってました。…ごめんね。でもあれはあくまでもナギ君が京子さんのためを思っての行動でもあるので、ちょっとでも「何やコイツ」みたいな感想を抱かれた方は私の力不足だったということでナギ君を責めないで上げてください…。創作漫画を読んでくださる方はすっごくイマジネーション豊かで理解力に富み、その能力で強力に脳内補正かけて読み取ってくださるので…

あんまりマイナスなことを言わない方がイイかなと思いましたが、せっかくの機会なので正直に振り返ってみました。あ、でもだからと言ってこの作品を嫌いなわけではなくむしろ好きだし(当たり前!)、この振り返りは今後に活かしていこうという前向きなものですのでご容赦ください。

良かったところ

じゃあ、逆に良かったなと思っている所はあるのかというと、やはりあります。それは何かというと、最終回のナギ君のセリフですね。「もう、オレを一人にしないで」っていうやつです。あれはプロット時点で最終回に言わせると決めていたので、それをちゃんと描けたのは本当に良かったなと思っています。プロットではナギ君は泣きながら(と言っても、一筋の涙を流すだけですが)言うセリフなんですけど、それが上手く描けなかったのは残念…。いや、描いてもよかったんだけど、ちょっと思っていたのと違う絵面になってしまったのでやめたんです。気持ちの上ではナギ君は泣いています、あのシーンで。そう言うつもりで読んでいただけると有難いです。
…最終回の一連のセリフ(ずっと一緒にいてくれる~あたりから)、ちょっと女々しいと思われるかなぁ~という心配はあるんですけど、あんまり弱音を吐かないナギ君の唯一の弱音シーンなので私は気に入っています。男子だって泣きたい時もあるし、弱音を吐きたい時もある。そしてそれが許される時代になったんだよね。とは言え、普段はそう言う感じじゃない男子があんなふうに思いを吐露するって言うのが好きなんだよね、私。Mっ気でもあるんでしょうか(n*´ω`*n)ハズカシイ
あと、自分が描く漫画って出会ってから両想いになるまでの過程を書くことがほとんどで、結婚とかそう言うのは描くことは少ないんですけど(恋愛的な意味でひかれあった二人の最終ゴールが結婚という形であることにこだわっていないのもあります)、この二人に関してはその段階に至るまでの話(親≒おばさん夫婦への挨拶とか)を考えることはあります。単純に、ナギ君にスーツを着せたいという欲求があるからなんですけどね(スーツ大好き)。でも、自営業のナギ君はスーツなんか持ってなくて(成人式のスーツしかない、さすがにカジュアルすぎるしサイズもちょっと合わない(ガタイが良くなったから)、買うところからはじまるんでしょうね、きっと。借りようにも、トモは漁師だから持ってるとしたら羽織袴しか持ってないかもしれないしw

幻になったタイトル

『握った飯は思案の外』というタイトルは気に入っているんですけど、実はこの漫画、プロットの時点では全然別のタイトルを考えていました。もともと「お互いの持つ孤独に惹かれ合う」と言うのを考えていたのもあって、何というか今考えるとちょっとこっぱずかしい感じのタイトルだったなぁと思います。まぁ、告白すると「波の音を数えている」っていうんですけどね。…やっぱり恥ずかしいな。こっちにしなくてよかったと思う(恥)。
この漫画は連載する前に1p漫画とかをちょっと描いたりしてたんですけど、そうしているうちに「なんか違うな」と思ったんでしょうね。いろいろ考えた末に今のタイトルに落ち着きました。ちなみに「思案の外」という慣用句を拝借しました。

自分はタイトルをつける際に、内容に絡んだことわざとか慣用句とか(日本語、外国語問わず)を見て思いつくことが多いです。パッと思いつくこともあればなかなか思いつかずに悩むことも多いですが、基本的にはプロットの段階で決まっていることがほとんどなので、早めに決めている方なのかもしれません。タイトルをどう略すか(ハリー・ポッターをハリポタというような)というのはあんまり考えられていないかも…。

キャラについて

ナギ君と京子さんについては、構想から数えると2年近く描いてきたキャラなのでそれなりに愛着があります。もう描くことがないのかと思うとそれはそれでさみしいですね。というわけで、キャラについての振り返りです。

①ナギ君
ナギ君は、何度も言っているように『南極料理人』の堺雅人さんがモデルです。髪型だけですが。あの髪型、映画で見ると堺雅人さんの容貌とあいまってすっごく色気が合ってよかったんですけど、残念ながら自分の画力が追いつかずそこまで色気を出すことができなくて、そこは今でも反省点です。でもあの長い髪が良かったと言ってくださる方がいらして、自分としては意外でした。どうしたって今風の髪型でもなかったし正直カッコ良かったか疑問なところもあったんですけど、二次元の世界では長髪男子の人気があるからなぁ~と素直に受け止めております。嬉しかったです、ありがとうございます♪ 
で、髪を切ったのは思い付きだったりしたんですが、一応理由は「スッキリするため」です。ナギ君は、京子さんがおばさん家に戻った時点で今後はもう会う事はないと思っていたので、自分の気持ちの整理をつけようと思ったんでしょうね。昭和の失恋理論です(古い)。…でも実は、長いときの髪型がすっごく描きにくいって言う、自分の画力の問題的な理由もありました。コレは反省なんですが、物語の途中で相応の理由もなくヘアスタイルを変えるのはあんまりよくないですね。今回の反応を見てそう理解した…。視認性(?)の問題もあるしね。
で、ナギ君ですが、最終的に思ったよりも暗くて重い男になっていたような気がします。もともとそんな派手なタイプではなかったんですが、相手を慮ることを優先したためにどんどん本音を言わない人になっていった…本当ならもうちょっとラフなところがある予定だったんですけどね(その片鱗がトモへの対応に現れてる)。きっと、京子さんと一緒にいる時はニコニコして頷いてるだけみたいな感じでやってそうですw それでいてちゃんと世話を焼いてくれると言うね。…最高だなと思ったけど、自分はあんまり無口な人は対応に困るのでもうちょっと喋ってくれたらいいなと思います(何の話w)。 
あ、最後に忘れないように言っておくんですけど、ナギ君みたいなタイプはむっつりというか、行くまでは長いけど行くところまで行ってしまえばベタベタするのはやぶさかではないみたいなところがあると思うので、最後はちょっとベタベタさせてみました。それはそれで描いていてたのしかったのですが、それにしても二人が絡む絵って言うのは難しいですね。成人向けを描いている人を素直に尊敬します。ホント、最後の2~3pで労力を使いましたw 

②京子さん
コチラはもう、最初から最後まで元気な娘さんということで、こういうキャラを描くのは楽でしたね。というか、自分が描く女性キャラがこういうタイプに偏っている気がする…。多分、相手が世話焼き男子だから、こういうタイプと相性がいいと自分が思っているんだと思います。私的黄金パターンw
とは言え、彼女なりに色々抱えていたわけです。結局お父さん自身は何も語らずに逝ってしまったんですが、京子さん的には「自分の存在がない事にされていなかった」とわかっただけで良かったんですよね。やっぱり、「愛の反対は無関心」ですから。
そう言えば、作中、京子さんは別の町のパブの洗い場で一時期仕事をしていた設定なんですが、このパブの面々が出てくるお話も描いてみたいなと思っていたのを思い出しました。実は、そう言うスピンオフのためにそのエピソードが出てきた時にフィリピン出身のダンサーアンジェラ、黒服兼マネージャーの鈴木、を描いてるんですよね(一コマだけ)。お話自体は今も頭にあるけど、描けるかな~。珍しくナギ君がヤキモチを焼く話なので、描くと楽しいとは思うんですが。アンジェラと鈴木に関心ある方は是非過去作をのぞいてみてください! 第3話です!
あ、それと京子さんが作中でボーダー柄の服ばかり着ているのは、私のファッションセスが死んでいるからです(辛)。シマシマ着せとけば何とかなるでしょ的な安易な発想…あまりファッションに深い関心がないためにこういうところで苦労します…。若い頃はそれなりにファッション雑誌とか買ってたんだけどな~。って言うかファッション雑誌自体がもう瀕死状態か。

と言うわけで最後に

「握った飯は思案の外」は、5月の関西コミティアで2巻(完結巻)を出しますね。予定通り終わることができたので多少余裕があるため、計画していた完結記念のオマケ冊子(完結後の二人を描く予定です)を2巻につけようと思います。関西コミティア限定なので、もしお近くで「行ってやるか」と思われた方はぜひスペースにお立ち寄りくださいませ♪ あ、関西コミティアは今回も落選無し(その代わり今までワンフロアだったのが2フロアに拡大するそうです!)だそうです。安心して準備を始めようと思います。ではでは、また何か思いついて語りたくなったら何か語るかもしれませんが、とりあえずはこのへんで。

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