急に寒くなり、昨日まで半そで半パンで過ごしていたのにと頭も体も気温の変化に追いつけなくて体調がこの二日ほど優れませんでした。それでもゆっくり湯船に浸かって早めに寝ていたら何とか回復。今日は日中が暖かかったのもあるかもです。とにかく今年は去年よりも秋が短かった…っていうか無かったに等しいですね。なんか腹立つ~。
「満月」原田康子著
というわけで、ブログにつけてるタグをみたら「本」というのがあったので、これからは読んだ本も感想を残しておこうと思います。最近、始業前に本を読んでいるのもあるし、映画観るより本を読むことの方が手軽なせいもあるしで、今は読書づいています。
で、この「満月」ですが、お隣の方にお借りしたものになります。だいぶ古い本で、今は絶版だとか。原田知世さんと時任三郎さんで映画化もされてるそうです(wikiってみたけど、ストーリーはだいぶ端折られてるみたいだった)。どうやら「アシガール」の作者さんが好きな本として単行本の後書きに書いていたらしく、のぞいてみたレビューはそこからやってきた人が多かったです。ストーリーはタイムスリップしてきた侍(杉坂小弥太)と現代っ子(まり)の恋物語(ラストは特に秘す、読んでのお楽しみです)。アシガールもこの本にインスパイアされたのかもしれませんね。で、感想です。
ストーリーは悪くないが主人公が好きになれなかった
残念ですが、この一言に尽きました。なんというか、主人公(まり)は25歳なんだけど、年齢の割にワガママで子供っぽく我の強いきかん坊なんですよね…お嬢さん育ちのせいなんでしょうかね。全く可愛げが無い。なので、ロマンチックに水を注された気になり話に没頭できなかった~。正直、途中は読むのがしんどかったので最後だけ読もうかと思ったくらい(単行本は2段組み300p越えだったw)。
というのもですね。まりは、突然300年前からやってきた侍の杉坂小弥太を最初は「胡散臭い」と言って毛嫌いしていたのに、いつの間にか好きになってしまうんですね。だけど、何故好きになったのか全く分からない。もしかしたら私が「この主人公、好きになれないな」と思っていたせいで目が滑り、文章も読み飛ばしていたのかもしれませんけど。
加えて杉坂を好きになったまりの思考と行動も、思い込み激しく凄く自分中心なためいじらしさなど微塵も感じさせない、自分的にはまぁまぁ無理なタイプでした。不倫略奪とかを自己を正当化して平気でやりそうなタイプだと思うな、あれは。似たようなことをレビューされている方が散見されたので、私の好みだけでもないと思います。
一方で、ガッチガチの武士である杉坂が奔放なまりを好きになると言う流れもあまり納得のいくものではありませんでした。好きになる要素、あったっけ?(これもレビューしている人がチラホラいた) もちろん杉坂は江戸時代の人間だから現代に馴染むべく世話を焼かれているうちに…ってのはわかるけど、基本的なお世話をしていたのはまりのおばあちゃんだしなぁ(この明治生まれというおばあちゃんは凛としてとても素敵な人物でした)。
あとね、本が書かれた時代(昭和50年代)からすると、まりはいわゆる「新人類」と呼ばれた世代のようなんです。「新人類」を調べてみると、まりは当時の若者の特徴を凝縮したようなタイプとして描かれていたのかなと感じます。お酒もたばこも車も…時代を感じましたね。それも共感を妨げた要因の一つかもしれない。あまり風俗を出し過ぎると物語が古くなるからできるだけ出さないと言っていた星新一は正解だと思います。
しかし侍はカッコ良かった
まりはアレだったけど、江戸時代からやってきた侍の杉坂小弥太は本当に素敵な人物でした。昔の、しかも武士ですから、きっちりしているしにやけてないし、何というか一本筋が通っている感じがして良かったです。侍言葉のセリフも現代ではどこかおかしみがあってクスリと笑えました。もっと杉坂が現代に馴染んでいく様子を読んでみたかった(まりよりも!)。
話は変わりますが、この本の単行本版の装幀は灘本唯人と言う方らしいんですが、描かれているのがキリッとした劇画調の武士とその腕に抱かれた女性(頭だけ見えてる)、頭上には月というもので、シンプルながらタイトル・内容に合ったものだと思います。それが、文庫版だと安西水丸さんになっていて(前髪のある若い武士の絵でした)なんで安西水丸さんなんだ…みたいにレビューで言ってる人がいたので思わず笑ってしまいましたw まぁ、あの画風ですからね。お話の杉坂とは若干イメージ違いかもしれません。
次は浅田次郎に挑戦
次もお隣の方がかしてくれた本で、浅田次郎の「母の待つ里」という本を読む予定です。最近、ドラマ化されていたみたいで、それが良かったからとのことでした。浅田次郎はJALの機内誌のエッセイしか読んだことないので、どんなもんか楽しみです。
あと、伊坂幸太郎も読みたいから明日探しに行ってこようと思ってる。何か癖になるわ~あの人の小説。
漫画の作業はちょっと滞ってる…
この二日ほど体調がよくなかったのと、な~んかやる気が起こらなかったのもあって、オニギリ漫画の後半はコマを割ったところで止まってるんだよね…。ん~、何か今描いているものが納得いかないのかもしれない。ちょっと考えながら作業しますね。というわけで、お風呂入ってこよ~っと。
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