「あ、うん」の事を書いたので久々に読みたくなって本屋に行ったけど在庫がなく、しょうがないので電子で購入。さっそく読んだところいくつか記憶違いがありました。
主な記憶違い
①さと子が恋に落ちたのは帝大生(辻本)ではなくて早稲田生(石川)だった
もう少し具体的に言うと、お見合いをしたのは帝大生、その後向こうが軽い肺病を患ったのをきっかけに疎遠になり、ふとしたきっかけで知り合った早稲田生と恋仲になるという流れでした。自分の記憶は映画(門倉が高倉健さんのやつ)のものだと思う。あれは帝大生と早稲田生が一人の役としてまとめられていたと思う。
②「しわのあるスカート」ではなく「寝押しし過ぎて嫌な感じに光ったスカート」だった
つまり晴れ着を着せてお嫁に出さなかったことを悔やんだわけですが、普段着のまま飛び出していったところにいろんな感情が詰まってる気がして泣けますね。ついでに言うと、「今夜一晩が一生だな」と言う門倉のセリフは心の中で言っただけでした。映画では言ってた気がするんだ、健さんが。
③仙吉は門倉とたみの事を知っているのはいたる箇所で明示されてた
特に、さと子視点で仙吉・門倉・たみを見ているシーンで如実にでていました。微妙な三角関係…大人って複雑ですね。
改めて読んでみましたが、いい話でした…。大人の、湿度の高い恋愛もの。さすがに昭和の価値観だなと思うところありますが(向田さんは戦中派)、物語の主題は今の時代でも全然通じると思うな~。人はみんな本音を言わずに生きているというさと子のセリフは「本当だなぁ」と思うけど、本音だけで生きていけるほど世の中単純じゃないのでその辺も含んで生きていけることが大人になるということなのか。自分に正直に生きようみたいな考え方が支持される現代ではこの辺りが受け入れられないと言う人がいるかもとは思いますが(実際、「全く理解できない」と言うレビューもたまに目にする)。
「前回の続き」と言うタイトルについて
「村上朝日堂」という村上春樹の古いエッセイに、「前回の続き」と言うタイトルが楽だから最初からそれにしとけば良かったみたいなことを書いていたのを思い出します。確かに楽ですねw でも毎回「前回の続き」を描くわけでもないのであんまり使えないけど。
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